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3-3. オープンサンドイッチ供試体の実業結果
(1)初期剛性とびひ割れの発生
ひび割れ発生以前の、オープンサンドイッチ供試体のねじり剛性は、RC供試体よりも約60%大きかった(Fig.10)。綱板の存在による初期剛性の増加が認められた。ただし、Table2に示したひび割れ発生ねじりモーメントについては、RC供試体と同程度であった。
(2)ひび割れ幅
鉄筋間隔が狭いほど、ひび割れ分散性が良好であり(Fig.11)、同一ねじれ率*5における平均ひび割れ幅が小さかった(Fig.12)。また、オープンサンドイッチ供試体の方が、RC供試体よりも同一ねじれ率における平均ひび割れ幅が大きかった(fig.12)。

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Fig.10 Initial Torsional Rigidities

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Fig.11 Crack Patterns at Ultimate Stage

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Fig.12 Relationship between Twist and Average Crack Width

(3)降伏ねじりモーメント
ひび割れ発生後、ねじり剛性が急減し、鉄筋降伏時の割線剛性は初期剛性の11〜13%であった(Fig.13)。いずれの供試体でも鉄筋が降伏したあと、終局時にはコンクリートに圧壊が生じた。オープンサンドイッチ供試体の綱板とスタッドは降伏しなかった。
オープンサンドイッチ供試体の降伏ねじりモーメントは、同一鉄筋比のRC供試体の降伏ねじりモーメントと同程度であった(Fig.14)。ただし、最大ねじりモーメントについては、同一鉄筋比、同一鉄筋径では、オープンサンドイッチ供試体の方が、RC供試体よりも10〜15%大きかった。
*5ねじれ率:ねじれによる変形の程度を表す量で、曲げの場合の曲率に相当する。単位長さ当たりの回転角の変化量であり。部材厚さ方向のせん断ひずみの変化率に等しい。

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Fig.13 Relationship between Torsional Moment and Twist

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Fig.14 Relationship between Yield Torsional Moment and Reinforcement Ratio

3-4. サンドイッチ供試体の実験結果
降伏ねじりモーメントは61tfm、最大ねじりモーメントは77tfmであった。終局まで綱板の座屈、破断等は生じず、十分な変形性能を保持していた。
綱板のひずみの計測値から、綱板とコンクリートが負担したねじりモーメントを分離したところ、綱板降伏時まで、載荷ねじりモーメントの約60%を綱板が負担し、約40%をコンクリートが負担していた(Fig.15)。綱板降伏時にコンクリートが負担したねじりモーメント(22tfm)は、コンクリートの耐力を独立に計算した値

 

 

 

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